NFTによる地方創生を推進する株式会社あるやうむ(本社:札幌市、代表取締役:畠中博晶)の地域おこし協力隊DAOソリューションを活用し、移住された地域おこし協力隊の皆さんにDAOマネ勉強会を実施。
2026年10月26日の講師は、新潟県関川村の地域おこし協力隊で、関川村DAOのコミュニティマネージャーを務めるコテツ(小池哲志)さん。テーマは「地域住民との関係構築 〜コアメンバーとのつながりを育むために〜」です。
主要指標 — KEY FIGURES
コテツさんの役目は、オンラインのコミュニティやデジタルの力で地域を盛り上げること。そう聞くと、パソコンに向かって人を集める仕事を思い浮かべるかもしれません。ところが実際の1年目は、草刈り、田植え、祭りの担ぎ手、雪かき。ほぼ現場でした。
そこから見えてきた結論が、「集めるより、一緒に動く」。そして「仕組みは、いちばん最後」。着任1年半の実践から語られた、地域住民との関係が育つ順番をお届けします。
DAOマネ勉強会とは
地域おこし協力隊は、自治体ごとにミッションや環境が大きく異なり、「正解のない仕事」とも言われます。一方で、全国各地の現場には、数字では測れない実践知・失敗知・人との関わり方といった、再現性のある学びが数多く存在しています。
株式会社あるやうむでは、「協力隊員一人ひとりの経験を、個人の中だけで終わらせず、横断的な学びに変えること」を目的に、勉強会を実施しています。
現場で成果を出している実践者自身が語ることで、これから着任する協力隊員や、現在活動中で壁に直面している協力隊員にとって、より実践的で現実に即した学びの場をつくっています。
今回のテーマ
「地域住民との関係構築 〜コアメンバーとのつながりを育むために〜」
地域で活動を続けるには、一緒に動いてくれる人の存在が欠かせません。では、その「コアメンバー」とは、どうやって出会い、どう関係を育てていけばいいのか。
コテツさんは、関川村での日々を写真とともに振り返りながら、関係が育つ順番を5つのステップに整理して紹介しました。参加したのは、着任から3〜5か月ほどの協力隊員が中心。これから本格的に地域で動き出す時期の隊員にとって、少し先を歩く先輩の実践談となりました。
本編①:人と話さない仕事から、協力隊へ
コテツさんは長野県駒ヶ根市の出身。前職は製造業で、約10年間、NC旋盤を中心とした金属加工に携わっていました。金属と機械に向き合っていればいい仕事で、人と話すことはほとんどなかったとのこと。
一方で、仕事と並行して約10年、外国人に日本語を教えるボランティアや、子どもの居場所づくりのボランティアを運営してきました。
小学生のころから周りから浮いていると感じ、それがコンプレックスだったというコテツさん。外国の方と関わるうちに「一人ひとり、みんな違う」と多様性に寛容になり、「自分は自分で、変でいいじゃん」と思えるように。人と話すことへの抵抗も、少しずつなくなっていったそうです。
オンラインの役目なのに、1年目はほぼ現場
2025年6月、関川村に着任。ミッションは、DAOやNFTなどのデジタルを活用したふるさと納税のPRです。リモートワークに近いイメージで移住したものの、1年目に取り組んだのは、草刈りや竹林整備、田植え、用水路の掃除、祭りの担ぎ手、雪かきといった地域の仕事でした。
着任直後は知り合いがほとんどおらず、デジタルの仕事が中心だったこともあり、人に会う機会も少ない状態。「最初の2か月は、本当に不安だった」と振り返ります。
最初の一人は、重要文化財「渡邉邸」で
どこへ行けばいいか分からないなか、コテツさんがちょくちょく足を運んだのが、村の国指定重要文化財「渡邉邸」でした。スタッフの平田さんと雑談するうちに、もともとものづくりの仕事をしていた平田さんと意気投合。「困ったら遊びに行ける」関係に。
「通える場所を1つ持っておくと、精神的な支えになります。自分の好きな話をして、気が合う人が見つかると、本当に安心感があるんです」
本編②:関係が育つ5つのステップ
コテツさんが整理した、関係が育つ順番は次の5つです。
① 顔を出す
② 人の縁を借りる
③ まず役に立つ
④ 頼り、頼られる
⑤ やりたいことを話す
その先に、「一緒にやる」がある。それぞれのステップを、関川村での実践とともに紹介しました。
① 顔を出す
朝5時半から集まる集落の神社の草刈りや、集落の総会。全長82.8メートルの大蛇を担ぐ村の「大したもん蛇まつり」では、担ぎ手も務めました。「終わったあと2、3日は肩が痛かった」と笑います。
集まりには基本的に顔を出す。そうしているうちに、集落の方から「空き家に明かりが灯って嬉しい」「ずっと住んでね」と声をかけられるようになりました。
② 人の縁を借りる
関川村の地域おこし協力隊は5人。全員の仲がよく、お互いに協力し合いながら活動しています。今、深く関わっている農家の大島さんとも、協力隊の仲間の紹介でつながりました。
「一から関係をつくるのは、すごく大変。紹介してもらえると、ずっと早いんです」
③ まず役に立つ
住んでいる集落では、竹林整備や、春と秋のそば打ちイベント、桜のライトアップの設営、川やため池の生き物観察イベントなどを手伝っています。月に1回、パソコンとスマホの教室も開催。
④ 頼り、頼られる
ただし、「迷惑をかけない」だけでは関係は深まらない、とコテツさんは言います。助けてもらいながら、自分にできることで返していく。日ごろ心がけているのは、次の2つです。
不義理をしない
呼ばれたら、なるべく早く行く
天気に左右される農作業では、当日の呼び出しもしばしば。それでもほぼ必ず行けるよう、予定はあまり入れていないそうです。
⑤ やりたいことを話す
趣味で植物の蒸留をしているコテツさん。「クロモジを蒸留したい」と周りに話していたら、集落の方が許可を取ってくれ、一緒に採りに行くことに。大工の経験を持つ協力隊の仲間には木工機械を借り、湧き水や石が採れる場所も教えてもらいました。
「『紹介しておくよ』は、AIには作れない。ここは、自分で頑張るしかないところです」
本編③:コアメンバーは、DAOに入っているとは限らない
コテツさんが深く関わる住民側のコアメンバーは、渡邉邸の平田さん、農家の大島さん、集落でイベントを取り仕切る方々、そして協力隊の仲間たち。必ずしも全員がDAOに入っているわけではありません。
農家の大島さんがDAOに入ってくれた流れ
大島さんとの関係は、次のように育っていきました。
協力隊の仲間に紹介してもらう
何度か手伝いに行く
自分の活動を、具体的に説明する
面白がってもらい、「DAOで地域を盛り上げられたらいいね」という話に
大島さんは、もともと農業を手伝ってくれる仲間のコミュニティを持っていた方。NFTやDAOという言葉にも、日ごろから触れていたそうです。
会議より、作業しながらの雑談
一緒に作物を収穫したり、ネットを張ったり。単純作業のあいだは、手は動いていても口は空いています。「大事な話ほど、作業中にぽろっと出てくる」というのが、コテツさんの実感。
仕組みは、いちばん最後
最近、東京から20〜30代の若者が10人ほど大島さんのもとを訪れることになり、「継続的な関係をつくりたい」と相談を受けました。コテツさんの頭にすぐ浮かんだのは、DiscordやNFT。けれど、まだその人たちに会ってもいませんでした。
人を知る
関係を考える
一緒にやることを考える
ツールを選ぶ
DiscordやLINEなどの仕組みづくりは、いちばん最後。どのツールを使うかも、関わる人たちに合わせて決めていくことが大切だと語りました。
本編④:DAOのコアメンバーとの関係は、形を変えて続く
関川村DAOのコアメンバーの一人が、新潟県阿賀野市に住むうにゃさん。コテツさんの着任をきっかけに、関川村を訪れてくれました。
渡邉邸では、うにゃさんが企画や講師との調整を、コテツさんが渡邉邸との現地調整を担い、「日本の伝統文化を味わう会」を3回ほど開催。雪の季節にも開かれました。
うにゃさんは、厳しいことも率直に伝えてくれる人。準備が求められるレベルに届かず、指摘を受けて落ち込んだこともあったといいます。それでもコテツさんは、関わり続けてもらうために自分の趣味の話をどんどんすること、そして反応がよかったことから「自分はさらに何ができるか」を考えることを続けてきました。
イベントは今はひと休み中。それでも、関係は途切れていません。今はうにゃさんが、卒業後の相談役に。
本編⑤:うまくいかなかったことも、正直に
誘うときの気まずさは、自分の側にある
関川村DAOのDiscordも、LINEオープンチャットも、正直まだ盛り上がりきっていない、とコテツさん。だからこそ、地域の方に「入ってください」と声をかけるのに勇気がいるといいます。
「相手に気まずいのではなく、誘う自分が気まずい。ここは、自分のエネルギーがまだ足りないところです」
ほかにも、うまくいかなかったこと
「日本の伝統文化を味わう会」は好評だったものの、デジタルコミュニティへの入り口までは設計できていなかった
地域のお手伝いを無料で続けるだけでは、卒業後に地域に残るのが難しくなる
自分の熱量が続くのは、地域素材を使ったものづくり。だから個人の活動は、そちらに軸足を寄せている
Tips:ふるさと納税のメルマガをやらせてもらう
コテツさんは、ふるさと納税サイトで配信する関川村のメルマガ原稿を、毎月作成しています。きっかけは、当時の担当職員が「サイトにメルマガや特集記事を配信できる機能がある」と気づいたこと。ふるさと納税の盛り上げというミッションに沿って、お試しで始めました。
役場のパソコンでしか作業できないなど手間はかかるものの、「壁を越えられるなら、すごくおすすめ」。ほかの隊員にも提案を勧めていました。
本編⑥:任期を超えて、続く関係へ
最近訪れた岐阜県飛騨市では「ファンクラブが先、お手伝いの仕組みは後」という考え方に触れ、新潟県長岡市の山古志では、外から10年単位で地域に関わり続ける人たちに出会ったコテツさん。
任期は残り約1年半。任期のあとも人が関わり続けられる環境をつくり、自分がいなくてもコミュニティが回る形にしていきたいと語りました。
質疑応答:参加者からの問いに答える
関係が深まったと感じたのは、着任してどれくらい?
コテツさんの答えは、「4、5か月くらい経ってから」。急な呼び出しの多くは農作業で、機械の修理などを頼まれるようになったのは、関係が深まってから。「人の機械を預かるわけなので、最初はやっぱり作業からです」。
無料のお手伝いを、どう仕事につなげる?
「協力隊の報酬がある今は無料で提供できても、3年後は?」という問いに、コテツさんは現在の取り組みを紹介しました。農家さんからは、雑穀とゴミを自動で選別する仕組みを「有料でも」と相談され、手元のパソコンで動く小規模なAIの開発を試している最中。
卒業後については、まずはAIやデジタルで収入をつくり、それを本業の機械の分野に投じていく「二階建て」を考えているといいます。関わっている農家さんのホームページや通販サイトの制作、協力隊の仲間と取り組む植物の蒸留品の販売も構想中。「デジタルは一人で、フィジカルは協力者と一緒に」。
お手伝い先は、どうやって見つけた?
最初は役場に紹介をお願いしたものの、結局つながりが続いたのは、協力隊の仲間が紹介してくれた大島さん。そこからさらに紹介が広がっていきました。協力隊仲間の困りごとを技術面で手伝ってきたことも、紹介につながったといいます。
村の中に、起業の相談相手はいる?
コテツさんの答えは、「村の中では、ほとんどいない」。うにゃさんのつながりで、新潟市の経営者の方々と交流する場をつくってもらっているそうです。クラフトさんは「隣の大きな街までエリアを広げて考えるのは、すごく参考になった」と話していました。
着任3〜5か月目の隊員へのアドバイスは?
「面倒だと思っても、人と関わらないと進まない。体を壊さない範囲で、ガンガン参加していくのがいいと思います」
そしてもう一つ、すすめたのが音声配信。もともと話すのが得意ではなかったコテツさんは、stand.fmやSpotifyでの配信を続けるうちに、話せるようになったといいます。文字起こしした量は100万文字超。今回のスライドも、その蓄積をもとにAIで作成したものでした。
「1日の感想を毎日残しておくと、こういうときに役に立つ。一つひとつは小さくても、積み重なると大きくなります」
講師紹介
プロフィール
コテツ(小池 哲志/こいけ てつし)さん
1985年生まれ、長野県駒ヶ根市出身。製造業で約10年間、NC旋盤を中心とした金属加工業務に従事。その後、ボランティア団体の運営やNFTコミュニティでの活動を通じて、組織運営やコミュニティづくりに携わる。
2025年6月より新潟県岩船郡関川村の地域おこし協力隊として活動。株式会社あるやうむが展開する「地域おこし協力隊DAO」の取り組みに参加し、地域住民とオンラインコミュニティをつなぐ活動を行っている。
地域資源の活用やイベント運営、ふるさと納税返礼品の開発に取り組むほか、音声配信やSNSを通じて日々の活動や地域の魅力を発信している。
主な活動内容
地域住民との関係構築……地域行事への参加や日常的な交流を通じて、地域住民との信頼関係づくりに取り組む
DAOコミュニティの運営・イベント活動……関川村DAOのメンバーと協力し、地域イベントへの参加や企画、地域資源のPRなどを実施
地域資源の活用・ふるさと納税返礼品の開発……地元農家や事業者と連携し、山菜採りなどの体験型返礼品の開発・PRに取り組む。国指定重要文化財「渡邉邸」の利活用など、地域資源の新たな可能性も模索
音声配信・SNSを活用した情報発信……Spotify、X、noteなどで、協力隊としての日々の活動や地域の出来事、現場での気づきを発信
講師としてのコメント
「地域で活動するうえで大切なのは、大きな企画を実施すること以上に、日頃から地域の方と顔を合わせ、少しずつ信頼関係を築いていくことだと感じています。DAOのようなオンラインコミュニティも、地域と実際につながり、一緒に活動することで新しい可能性が生まれると考えています。地域おこし協力隊やDAOマネージャーが一人ですべてを抱え込むのではなく、地域住民やコミュニティのメンバーと、それぞれの得意なことを持ち寄りながら活動を進めていくことが大切です。今回の勉強会が、それぞれの地域で新しい仲間や協力者とのつながりを育むきっかけになればうれしいです。」
関連リンク
▲ QRコードからも参加できます
▼ 関川村 - 農と自然のある暮らし -(LINEオープンチャット)|関川村の暮らしや自然、地域イベントなどの情報を共有し、地域に関心を持つ人々が交流できるコミュニティ
https://line.me/ti/g2/G1cr_-XybyUSqk-PpqjqEj3JyAUwqmmvTiZLcg
今後の展望
株式会社あるやうむでは、今後も派遣協力隊員同士の知見を共有する勉強会を継続し、各地域で生まれた実践を横断的に活かすことで、地域全体の価値向上につなげていく予定です。
各地域のDAOに参加しませんか?
お住まいの地域や興味のある地域のDAOにぜひご参加ください!
▼ DAOへの参加リンクはこちら|どなたでも気軽に参加できます。
https://lit.link/alywamu-dao
株式会社あるやうむについて
DAOやNFTによる地方創生を推進するため、全国の自治体向けにふるさと納税NFT/観光NFT/地域おこし協力隊DAOソリューションを提供する札幌発のスタートアップ。
地域の魅力をのせたNFTをふるさと納税の返礼品とすることや、地域でDAOを運営することを通じて、新たな財源を創出すると共に、シティプロモーションや関係人口の創出に繋げます。
社名「あるやうむ」はアラビア語で今日を意味する言葉。今日、いますぐチャレンジをしたい自治体・地域の皆様にNFTという先端技術を提供し、応援され続ける地域づくりを支援します。
株式会社あるやうむ 会社情報
会社名 :株式会社あるやうむ
代表者 :畠中 博晶
所在地 :札幌市北区北38条西6丁目2番23 カトラン麻生302号室
設立 :2020年11月18日
資本金 :1億6449万円(資本準備金含む)
事業内容 :NFTを活用した地方創生コンサルティング・開発
URL :https://alyawmu.com/
Twitter :https://twitter.com/alyawmu/
Voicy : https://voicy.jp/channel/3545
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:prtimes
- 関連組織:株式会社あるやうむ