【結論】本調査のポイント
結論から言うと、高齢者の肌がかゆくなる主な原因は皮脂分泌の低下による老人性乾皮症です。保湿ケアで改善しない場合や、かきむしって赤み・湿疹が出ている場合は皮膚科への受診が必要です。特に秋から冬にかけては症状が悪化しやすいため、早めの対処が重要となります。
・高齢の親のかゆみに気づいている子ども世代は78.3%だが、受診を促した経験があるのは23.7%にとどまる
・親のかゆみが「秋から冬にかけて悪化する」と感じている人は67.0%
・かきむしりによる傷や湿疹を目撃した経験がある子ども世代は54.3%に上る
用語解説
老人性乾皮症とは
主要指標 — KEY FIGURES
老人性乾皮症とは、加齢に伴う皮脂分泌の低下や角質層の水分保持機能の低下によって皮膚が乾燥し、かゆみを引き起こす状態である。特に60歳以上の高齢者に多く見られ、秋から冬にかけて症状が悪化しやすい特徴を持つ。
皮脂欠乏性湿疹とは
皮脂欠乏性湿疹とは、乾燥した皮膚を繰り返しかきむしることで炎症が起き、赤み・湿疹・かさぶたなどの症状が現れた状態である。老人性乾皮症が進行した状態であり、適切な治療を行わないと慢性化するリスクがある。
かゆみの悪循環(itch-scratch cycle)とは
かゆみの悪循環とは、かゆみを感じて掻く→皮膚が傷つく→炎症が起きてさらにかゆくなる→また掻く、というサイクルを繰り返す状態である。この悪循環を断ち切るためには、早期の保湿ケアと必要に応じた医療介入が重要となる。
高齢者のかゆみ対処法の比較
比較項目
セルフケア(保湿)
皮膚科受診
対象となる症状
軽度の乾燥・かゆみ
かきむしり傷・湿疹・強いかゆみ
効果が出るまでの期間
1〜2週間程度
数日〜1週間程度
費用目安
1,000〜3,000円(保湿剤)
1,000〜2,000円(保険適用3割負担)
使用する製品・薬剤
市販の保湿クリーム・ローション
処方保湿剤・外用ステロイド等
再発リスク
継続しないと再発しやすい
原因治療で根本改善が可能
適した状況
症状が軽く日常生活に支障なし
症状が中等度以上・睡眠に影響あり
※一般的な目安であり、個人差があります。
皮膚科・美容皮膚科・形成外科を展開する医療法人社団鉄結会 アイシークリニック(新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、敬老の日を前に「高齢の親の肌トラブルに関する意識調査」を実施しました。本調査では、子ども世代が親の「かゆみ」にどの程度気づいているか、また適切な対処ができているかを明らかにしています。
調査背景
高齢者の多くが悩む「かゆみ」は、加齢による皮膚の乾燥が主な原因です。特に秋から冬にかけて空気が乾燥する時期は症状が悪化しやすく、かきむしりによる湿疹化のリスクも高まります。しかし、高齢者本人が「年だから仕方ない」と諦めていたり、離れて暮らす家族が症状の深刻さに気づきにくかったりするケースが少なくありません。敬老の日を機に、高齢の親の肌トラブルへの意識を高め、適切なケアにつなげていただくことを目的として本調査を実施しました。
調査概要
調査対象:60歳以上の親を持つ全国の30〜50代の男女
調査期間:2026年9月1日〜9月10日
調査方法:インターネット調査
調査対象人数:300名
調査結果
【調査結果】約8割が高齢の親のかゆみに気づいている
設問:高齢の親(60歳以上)が肌のかゆみを訴えたり、かいている様子を見たことがありますか?
78.3%の子ども世代が親のかゆみに気づいていることが判明しました。「頻繁にある」と回答した人が34.7%に上り、高齢者のかゆみ問題が身近な課題であることがわかります。しかし、気づいていても適切な対処につながっていないケースが多い可能性があります。
【調査結果】受診を勧めた経験があるのはわずか23.7%
設問:親のかゆみについて、皮膚科への受診を勧めたことはありますか?
親のかゆみに気づいていても、58.0%が受診を勧めたことがないと回答しました。受診を勧めて実際に受診に至ったのはわずか12.3%であり、高齢者の肌トラブルが軽視されがちな現状が浮き彫りになりました。「年だから仕方ない」という認識が受診の妨げになっていると考えられます。
【調査結果】67.0%が「秋から冬」にかゆみが悪化すると回答
設問:親のかゆみが悪化しやすい時期はいつ頃だと感じますか?(複数回答可・最も多い回答)
秋から冬にかけてかゆみが悪化すると感じている人が67.0%と最多でした。これは空気の乾燥と暖房使用による室内の湿度低下が影響していると考えられます。この時期に向けた早めの保湿ケア開始が重要であることを示唆しています。
【調査結果】54.3%がかきむしりによる傷や湿疹を目撃
設問:親がかゆみをかきむしって、傷や赤み・湿疹ができているのを見たことがありますか?
半数以上の54.3%が親のかきむしりによる傷や湿疹を目撃しています。「よく見る」が21.0%と高い割合を示しており、老人性乾皮症から皮脂欠乏性湿疹へ進行しているケースが多いことがわかります。かきむしりの悪循環を断ち切るためには、早期の医療介入が必要です。
【調査結果】最も多い対策は「市販の保湿剤を塗る」の41.7%
設問:親の肌のかゆみ対策として、現在行っていることは何ですか?(複数回答可・最も多い回答)
市販の保湿剤使用が41.7%と最多ですが、「特に何もしていない」が27.0%と高い割合を占めています。皮膚科で処方された薬を使用しているのは16.3%にとどまり、専門的な治療につながっていないケースが多いことがわかります。
調査まとめ
今回の調査により、子ども世代の約8割が高齢の親のかゆみに気づいている一方で、皮膚科受診を勧めた経験があるのはわずか23.7%であることが明らかになりました。67.0%が秋から冬にかけてかゆみが悪化すると感じており、54.3%がかきむしりによる傷や湿疹を目撃しています。しかし、27.0%が「特に何もしていない」と回答するなど、高齢者の肌トラブルが適切に対処されていない現状が浮き彫りになりました。敬老の日をきっかけに、離れて暮らす親の肌の状態を確認し、必要に応じて皮膚科受診を促すことが重要です。
医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師
皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、高齢者のかゆみは「年だから仕方ない」で済ませてはいけない症状です。適切なケアと治療により、多くのケースで症状を改善できます。
高齢者の肌がかゆくなる主な原因は、加齢に伴う皮脂分泌の低下と角質層のバリア機能の衰えです。これを老人性乾皮症と呼び、60歳以上の方の半数以上が経験するとされています。特に秋から冬にかけては、空気の乾燥と暖房使用により室内の湿度が低下し、症状が悪化しやすくなります。
問題なのは、かゆみを我慢できずにかきむしることで起こる「かゆみの悪循環」です。掻くことで皮膚が傷つき、炎症が起きてさらにかゆくなる、という悪循環に陥ります。これが続くと皮脂欠乏性湿疹へと進行し、赤み・湿疹・かさぶたなどの症状が現れます。調査では54.3%の方が親のかきむしり傷を目撃しており、この段階に進行している高齢者が多いことがわかります。
高齢者のかゆみ対策で最も重要なのは、症状が軽いうちから保湿ケアを始めることです。入浴後すぐに保湿剤を塗ること、熱いお湯での長風呂を避けること、ナイロンタオルでゴシゴシ洗わないことなど、日常生活での注意点も多くあります。しかし、保湿だけでは改善しない場合や、すでに湿疹化している場合は、皮膚科での治療が必要です。
処方薬には、医療用の保湿剤(ヒルドイドなど)や外用ステロイド剤があり、市販薬よりも効果的にかゆみと炎症を抑えることができます。「年だからしょうがない」と諦めず、敬老の日をきっかけにご家族で親御さんの肌の状態を確認していただければと思います。
【エビデンス】日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」でも、高齢者の乾燥性皮膚疾患に対する保湿剤の重要性が強調されています。また、皮脂欠乏性湿疹に進行した場合は、外用ステロイド剤と保湿剤の併用が推奨されています。皮膚科医としての臨床経験では、早期に適切な治療を開始することで、多くの方が1〜2週間で症状の改善を実感されています。
高齢者の肌がかゆくなる原因
・加齢による皮脂分泌の低下で皮膚のバリア機能が弱まる
・角質層の水分保持機能が衰え、乾燥しやすくなる
・秋冬の空気乾燥・暖房使用で症状が悪化する
皮膚科受診が必要なサイン
・保湿剤を2週間以上使用しても改善しない
・かきむしりによる傷・赤み・湿疹がある
・かゆみで夜眠れない・日常生活に支障がある
家庭でできる予防ケア
・入浴後5分以内に保湿剤を塗る習慣をつける
・お湯の温度は38〜40度のぬるめに設定する
・室内の湿度を50〜60%に保つ(加湿器の活用)
髙桑 康太(たかくわ こうた)医師
皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
・ミラドライ認定医
臨床実績(2024年時点、累計)
・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上
・腋臭症治療:2,000件以上
・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
略歴
・2009年 東京大学医学部医学科 卒業
・2009年 東京逓信病院 初期研修
・2012年 東京警察病院 皮膚科
・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
・2019年 アイシークリニック 治療責任者
監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
よくある質問(Q&A)
Q1. 高齢者の肌がかゆくなるのはなぜですか?
A. 加齢による皮脂分泌の低下と角質層のバリア機能低下が主な原因です。
60歳を過ぎると皮脂腺の機能が低下し、皮膚を守る皮脂膜が薄くなります。同時に角質層の水分保持機能も衰えるため、皮膚が乾燥してかゆみを感じやすくなります。今回の調査では67.0%の方が「秋から冬にかゆみが悪化する」と回答しており、空気の乾燥がさらに症状を悪化させることがわかっています。
Q2. 高齢者の乾燥肌のかゆみはどう対処すべきですか?
A. まずは保湿ケアを徹底し、改善しなければ皮膚科を受診してください。
入浴後すぐに保湿剤を塗ることが基本です。調査では41.7%が市販の保湿剤を使用していますが、2週間程度続けても改善しない場合は皮膚科受診をお勧めします。特に、54.3%の方が目撃しているような「かきむしりによる傷や湿疹」がある場合は、処方薬による治療が必要です。
Q3. 高齢の親のかゆみは病院に連れて行くべきですか?
A. 保湿で改善しない場合や、かきむしり傷がある場合は受診をお勧めします。
調査では受診を勧めた経験がある方はわずか23.7%でした。「年だから仕方ない」と諦めがちですが、皮脂欠乏性湿疹に進行すると治療に時間がかかります。かゆみで夜眠れない、かきむしって傷ができている、保湿剤を使っても改善しないといった場合は、早めに皮膚科を受診してください。
Q4. 老人性乾皮症と皮脂欠乏性湿疹の違いは何ですか?
A. 老人性乾皮症は乾燥状態、皮脂欠乏性湿疹はかきむしりで炎症が起きた状態です。
老人性乾皮症は皮膚が乾燥してカサカサし、かゆみを感じる状態です。この段階では保湿ケアで改善できることが多いです。一方、皮脂欠乏性湿疹は乾燥した皮膚をかきむしることで炎症が起き、赤み・湿疹・かさぶたなどが現れた状態で、外用ステロイド剤などの治療が必要になります。
Q5. 高齢者のかゆみを予防する方法はありますか?
A. 保湿習慣、入浴方法の見直し、室内の加湿が効果的です。
予防で最も重要なのは毎日の保湿です。入浴後5分以内に保湿剤を塗る習慣をつけてください。また、熱いお湯(42度以上)での長風呂は皮脂を奪うため避け、38〜40度程度のぬるめのお湯で10分以内を目安にしましょう。室内の湿度は50〜60%に保つことで、肌の乾燥を防ぐことができます。
放置のリスク
・かきむしりの繰り返しにより皮脂欠乏性湿疹へ進行し、治療が長期化する
・傷口からの細菌感染により蜂窩織炎などの皮膚感染症を引き起こすリスクがある
・慢性的なかゆみによる睡眠障害・QOL(生活の質)の低下
こんな方はご相談ください|受診の目安
・保湿剤を2週間以上使用しても症状が改善しない場合
・かきむしりによる傷・赤み・湿疹が見られる場合
・かゆみが強く夜眠れない、または日常生活に支障がある場合
・皮膚から液体が出ている、または化膿している場合
クリニック案内
アイシークリニックの特徴
・高齢者の皮膚トラブルに対応した丁寧な診療を実施
・保険診療による適切な治療で患者様の負担を軽減
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・新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院で通いやすい立地
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アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階
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FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
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